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協賛

「若狭あどうがたり集成」の刊行を記念してシンポジウムが開催されました(当財団協賛)

開催期間 2022年7月16日

若狭路文化研究会は、当財団の協賛のもと、嶺南地域で語り継がれてきた昔話を取りまとめた「若狭あどうがたり集成」を令和4年3月31日に刊行しました。
同地域の古老や語り部から集めた135の話を収録し、これに話し言葉や方言を盛り込んだ文字に起こして編纂しました。
民俗学者で同研究所顧問の金田久璋氏が半世紀に渡り採話したものを編集し、就実大学元教授の田中文雅氏が解題を加えました。
また、地元の朗読グループ「ふくい昔ばなし大学再話研究会」のメンバーらも、収録した話のテープ起こし(翻字)に協力しました。
「あどうがたり」の「あど」とは相づちを打つという意味で、中世以前からの伝統的な昔話伝承の形式として、語り手の語りに聞き手が一節ごとに相づちを打ち、リズムを作り出していたとのことです。
相づちの「おっとー」や「はーとーとー」は、「尊い」から転じた言葉と考察されています。
本は297ページで、十二支などの動物の話のほか、正月や盆など行事にまつわる内容など昔の人々の生活や信仰の様子などが伺えます。
各昔話からは語り手の気持ちや息遣いが感じられ、臨場感ある正に生きた民俗資料となっています。
現代社会において失われつつある貴重な日本の財産として、後世に伝承されていくことを願っています。
また、令和4年7月16日に、「若狭あどうがたり集成」の刊行を記念した同研究所主催のシンポジウムが、美浜町生涯学習センター「なびあす」にて開催されました。
田中文雅氏の講演、金田久璋氏らを交えた鼎談、昔話の朗読や映像の披露、挿絵原画の展示など盛り沢山のプログラムで、約70人の来場者は、語り継がれてきた昔話を身近に感じていました。

開催場所

美浜町・生涯学習センターなびあす